2019年12月18日

■今更02R96のレビュー その6(再掲)


YAMAHA 02R96 のレビューを過去の自分のBLOGから引っ張り出して再掲します。
今回はその6。いよいよ最終回。

----以下再掲部分----

次はアナログ入力のヘッドアンプ(HA)部分と全体の出音に迫ってみよう。
音に関しては大進歩だ。旧型に比べると、音がクリアですっきり前に
出てくる。旧型は中音に妙なクスミのようなものが感じられたが、
新型のHAは重低音から高域まで綺麗に音が出る。透明シートを
2、3枚どけたような感じで音像がくっきりと前に出てくる、しか
も妙なクセも無く、音の輪郭もクッキリと出てアタックも恐いくら
いに良い。これは、かなりの好印象だ。

ADAT端子からデジタル入力された音も、同じようにまっすぐに
クッキリと聴こえる。ここに「真にトランスペアレントな音」とい
う新型のキャッチフレーズのこだわりを感じた。キャッチフレーズ
に偽りは無い!

ProToolsの888/24とHD192の出音を聴き比べた事があるのだが、
まさにその違いに似た印象がある。888は太く感じられる。各チャ
ンネルを混ぜていくと中音域で音がダンゴ状態になるが、HD192は
アタックのくすみや妙な音のクセも無く、そのままの音が綺麗にスト
レートに出る。888のように音がダンゴになって適当になんとなく
混ざりやすいというのが好きという人もいるので、単純に好みの
問題だろう。

話を02R96に戻そう。こんなクリアな音が各チャンネルから入っ
てくるのだから、ミックスの様相もガラリと変わる。各チャンネルの分離が
あまりにも良いので、適当にやっていると取ってつけたような足し算
の音になってしまう。しかも重低音は良く出るわ、アタックもカッチリ
出るわで、全体の音を馴染ませるのが最初は大変だった。
今までは、旧型のくすんだ中音のダンゴと適当に丸くなるアタック
に助けられて、あやふやにしていた事がわかった(笑)
これが良いのか悪いのかは好みが別れるところだろうが、筆者は大
変気に入っている。

きっと、ウン千万もする高いミキサーでのミックスも、このくらい
細心の注意を払うものなんだろうと痛感した。逆にこのコストでこ
れらの体験ができるのはありがたい事だ。

ミックスしてできあがった音は、今までとはあきらかに違う。
新型は透明感と分離感と音像の深みが増している。
デジタル卓でありながら、どことなくアナログ卓でミックスしたか
のような浮遊感や高揚感のようなものが感じられる。

さてさて、4回に渡って比較レビューを掲載してきたが、参考にな
っただろうか。

思えば、旧型が出た時はマックは68000からPowerPCへの過渡期
だったし、WINDOWSだって300Mhz前後で動いていた時代だ。
それを思えば楽器に使われているDSPの性能も雲泥の差である事
が伺える。

新型に移行したとはいえ、旧型は旧型でまだまだ現役でがんばれる
程の機能を備えている。出音はそれなりにクセはあったが、悪くは
なかった。移り変わりが激しい電子機器でありながら、7年も現役
で使える事は凄い事である。02R(旧型)もまた良いマシンなのだ。

昔はDSPで必死にやっていた事も、余裕でできるようになっただろ
うし、その余った処理能力でアナログの挙動をある程度真似る事ができる
ようになった。
その進化がふんだんに詰まったO2R96は、出音も含め、お世辞抜き
でとても良いミキサーだと言えるだろう。

<終わり>

posted by 橋本彦士 at 14:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽