2020年01月13日

大丸2️Behringer RD-8 レビュー

IMG_5710.jpg

 ベリンガーから発売されたリズムマシン、RD-8が手元に届いたので、早速レビュー
してみよう。

 RD-8は、すでにスタンダードになったTR-808を、現代に蘇らせたリズムマシンだ。
しかも、発音部がしっかりとアナログ回路になっている!

 TR-808は歴史も長く、サンプルライブラリーやソフトウェア、クローン機が数多
く発売されている。今回発売されたRD-8の特筆すべき点は、音源部にアナログ回路
を用いながらも、驚きの価格帯になっている事だろう。しかも、その出音は素晴ら
しい。

 さらに、時代のニーズに合わせた特徴的な機能も多数搭載されている。

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(◆様々な色で輝くボタンが多数配置されており、操作性が良い。)


 まずはルックスから見てみよう。ルックスはどことなく似ているが、音色切り替
えのダイヤルは無く、その代わりに各音色には、専用の切り替えボタンがあり、希
望の音色に即座にアクセスできる。そのボタンを使えば、MUTEのon/offも可能だ。
ボタンは色鮮やかな様々な色に光るので、ステージ映えするに違いない。

 大きさは498mm(W) x 265mm(D) x 77mm(H)となっており、操作性と存在感も
バッチリだ。

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RD-8btn.png
(◆お馴染みの16STEPボタン、LEDは赤だけではなく状況によって色が変わるので視認性が良い)


 リズムパターンは、下に並んだ16個のLED付きスイッチを見れば一目で確認でき、
入力もできる。それとは別に、右にあるTRIGGERボタンを使えば、パターンを再生し
ながらリアルタイム入力する事も可能だ。なお、タイミングは一番近いステップに、
自動的にクオンタイズされる。

 昔のリズムマシンは、まず個別にパターンを作って、それを並べて1曲として組み
立てる方法が主流で、RD-8もこれを踏襲している。もちろんUSBやMIDIで接続すれ
ば、DAWから音源として使う事もできるので、リズムパターンに囚われず、DAW上
で音色に対応する音程を打ち込めば良い。

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MODE.jpg
(◆SONG PATTERN モードの切り替え、パターンの構造を決めるSTEPボタンとその他の編集ボタン)


 次に、パターンモードから主立った機能を紹介していこう。

 パターン入力に関しては、下記の2通りがあるが、いずれも最初に入力したい
音色をSELECTボタンで選び、録音ボタンを押して準備しておく必要がある。

1、パターンを再生しながらリアルタイムにTRIGGERボタンを押す方法。

2、16STEPボタンの中から、鳴らしたいタイミングに対応したボタンで入力する
方法。その際は演奏停止状態でも入力が可能。

 通常は16STEPな事が多いので、対応する拍やタイミングのボタンを押し、点灯
させる事で手早くパターン入力ができる。

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SCROLL.jpg
(◆16STEP以上のパターンの時に威力を発揮する編集ボタン。これでパターン内を自由に行き来できる。)


 リズムパターン単体のステップ数は、16ステップだけではなく、最大の64ステップ
以内であれば自由に変更できる。16セグメントのLEDは、発音タイミングで点灯して
いるが、16ステップ以上のパターンの場合は、「<<」と「>>」ボタンを押せばパターン
内を自由に行き来する事が可能だ。
 「AUTO SCROLL」をオンにして再生すれば、自動で次のステップへと表示が切り替
わるので、視認性は高い。

 さらに1ステップを、どの音符として扱うかも設定可能だ。
 (1/8 1/8T 1/16 1/16T 1/32)

 その他の変わった機能としては、音色ごとにステップ数を変えられるPOLYモー
ドがあり、トリッキーなパターンを組む事も可能だ。さらにトリッキーにしたけ
れば、RAND(ランダム)モードを使う事によって、思いもよらないリズムが生み
出されるかもしれない。

 このように作成したリズムパターンを組み合わせ、最終的にソングを組み立てて
いくが、1曲に使用できるリズムパターンは最大で16パターンだ。それらを組み合
わせて、最大16ソングのストックが可能だ。ソングを組む時は、同じパターンを繰
り返すことが多いが、ソングの組み立て時には、パターンの繰り返し回数も設定で
きるので、効率的に作業できるだろう。

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IMG_5725.jpg
(◆演奏ボタン、テンポコントロールノブ、演奏パラメーター付近)


 次は、演奏表現機能について紹介していこう。

 リズムマシンといえば、正確無比なリズムキープが王道とも言えるが、RD-8で
は、ジャストすぎると感じたら、PROBを任意の幅に設定すれば、リズムをランダ
ムに揺らしながら演奏できる。その他には、ダダッと高速で二連発鳴らす、いわゆ
るフラムも入力可能になっており、多彩なリズム表現ができる。

 その他には、SWINGパラメーターがあり、グルービーな演奏も本体だけで可能に
なっている。

 これらのパラメーターのエディットは、DATA MODEボタンを押して切り替え、
ノブを回す事で設定できるので、操作性はとても良い。

 RD-8には、その他にもオリジナルにはない機能がたくさん備わっている。ノブや
ボタンの配置をよく見ると、それらはリアルタイムコントロールがやりやすいよう
に配置されており、ステージパフォーマンスを意識していることがわかる。
 例えば、ソングやパターンを演奏しながら、リアルタイムで音色を変えたり、
フィルインを入れることができる。

 テンポに関しては、INTERNALと外部シンクに加え、TAP/HOLDボタンを四分音符
のリズムでタップすれば、そのテンポに自動で合わせてくれる機能も搭載されている。

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(◆フィルター、レゾナンス、WAVE DESIGNER、編集、モード切り替えボタン付近)


 RD-8の大きな特徴と言えば、ノブでコントロール可能なアナログフィルターが搭
載されている事だ。

 LPFに加え、HPFモードがあり、さらにRESONANCEも搭載されているので、徐々
に低音を出したり、高音を出したりといったエフェクトを、リアルタイムに操作で
きる。もちろんそのフィルターの動きを、リズムパターン内に記憶する事も可能だ。

 フィルター効果をかける音色も、個別に選択できるようになっており、例えば、
ハイハットだけフィルターをかけ、スネアはそのまま、という事も可能になっている。

 音色のエディットに関しても、いくつか特徴的な機能があるので紹介しておこう。

 RD-8には、Wave Designerという機能があり、オリジナルのパラメーターに加え、
さらにアタックとサスティーンが調整できるようになっている。これらのパラメー
ターも、ノブによるリアルタイムエディットが可能なので、今までにない過激な音、
または、今までにない大人しい音に調整することが可能だ。

 それから、BD、Open Hat、Closed HatにTUNINGノブがついているのは、最も
特筆すべきポイントだろう。


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(◆様々なリアルタイムパフォーマンスを可能にするTRIGGERボタン付近)


 その他の特徴的な演奏機能としては、Auto Fill、Step Repeat、Note Repeat機能だ。

●Auto Fill機能:基本で鳴らしているパターンに違うパターンが一回割り込んでまた元
 に戻る機能で、閃きやその場のノリで会場を煽ることができるだろう。
●Step Repeat:次の曲への繋ぎとして有効で、TIGGERボタンを押している間 1,2,4,8
 の中の任意のステップ数でパターンを繰り返すことができる。
●Note Repeat:任意の音色を16分,16T分,32分,32Tの中の任意の音長で繰り返す機能
 で、ロール演奏も可能。間奏前や、トリッキーな曲間の繋ぎに有効だろう。

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スクリーンショット 2020-01-14 12.47.52.jpg
(◆背面パネル:Behringer RD-8 クイックスタートガイドより引用◆)


 次は、背面端子周りについて解説しよう。

 RD-8には、全ての音がミックスされる出力端子は一つしかなく、モノラルアウト
のみだ。その代わりに、全11個のそれぞれの音色にパラアウトがあり、2ミックス
で任意にパンを振りたい場合は、パラアウトを使用してミキサーに立ち上げる必要が
ある。

 その他には、ヘッドホン端子や、外部エフェクトなどを使用する際のReturn入力も
備わっている。電源は外部アダプターなので本体はとても軽い。

 制御については、USB端子に加え、MIDI IN、OUT、THRUも備わっており、DAW
でも困ることはない。さらには、アナログ機器だけで硬派に制御したい方向けに、昔
ながらのSYNC IN、OUTもしっかり備わっている。

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(◆RD-8 デモ RD-8のモノラルアウトを02R96に入力して収録。
  EQ、コンプ、エフェクトなどは一切使わずRD-8のみで演奏。)


 出音については、個人的にとてもとても気に入っている。もし気になった方は、
デモを聴いて頂いて、ぜひRD-8の魅力に触れて欲しい。

 ベリンガー製のアナログシンセの出音は、再現性も含めどれも素晴らしい。
「値段のわりに良い」のではなく、本当に「良い」のだ。
気になる点は、シリコン製のボタンが、長期間使った際にどうなるかくらいだ。

 個人的な感想としては、「これこそがアナログの音か!」という事。アナログの
音は、表現するならば、デジタルと違って丸くどっしりとしていて、高揚感と存在感
があるという事だろうか。仮に角があっても、輪郭がはっきりとしている。

 90年代に音の仕事を始めた身としては、本物のアナログに触れる機会があまりな
かっただけに、その感動もひとしおだ。
 YMOフリークの方はもちろん、クラブで本格的に活動している方にとっても、満足
できる製品ではないだろうか。

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posted by 橋本彦士 at 00:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽
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